パーツフィーダー詰まり・トラブル・チョコ停・不良品混入などを極力起こさない作りと考え方。
小修正で大幅にトラブルを減らすことは難しいです。
詰まりなどトラブルを減らす方法があるのなら、思い切って大幅に修正した方が効果を得られやすくなります。

 ☆パーツフィーダーのクシ歯(くしば)選別は、必ず天地逆が混入します。
 キャップ状のワークの天地選別にもちいる「クシ歯選別」は、ワークのリズムとクシ歯の位置が同期すると不良品が通り抜けてきます。
クシ歯の数を5個6個と増やしても結果は変わりません。
効果的なのはクシ歯のリズムを変えること

1)クシ歯のピッチを変える、同じ形状の連続にしない
2)3個クシ歯を切ったら、スペースを空けもう一度3個切る

もっとも効果的なのは上画像のように空走距離をとってからもう一度クシ歯に通す。
上画像のようにクシ歯とクシ歯の間に力が逃げる構造(オーバーフロー)をもうけると特に効果が高くなります。
☆ 多列で選別をおこなう場合、位置をずらして空間をもうけないとトラブルが発生します。
上の画像の場合、2カ所で力が逃げる構造(オーバーフロー)をもうけて強い力がかかるとワークが逃げる構造にしています。
オーバーフローを効果的に配置すると、単列でも複列でも数万個流した時のトラブル発生率がぐっと下がります。
 ☆無理な排出姿勢は、トラブルの元。
パーツフィーダー内では安定した姿勢で排出し、その後姿勢を変えるのはトラブルを減らす観点からかなり有効な手段です。
 画像のワークは、板厚0.5mm 長さが100mmを超えています。
左側でワークを吊った状態で、角度をつけて排出しています。
無理に水平位置までパーツフィーダーで戻すと、詰まりなどのトラブル率が飛躍的に高まります。

板金ワークの場合、ひねりやねじれ等の寸法差がありますので、薄いワークの場合などは無理にひねり戻さずにフライス加工した治具内で押さえた方が無難です。
 パーツフィーダー・シュート先端を加工して、アクチュエーターで水平に戻します。
   緑色の先の尖ったワークを、安定する方向で流し
アクチュエーターで反転させます。
ワークにバリ・変形・寸法異常が多く見られるのでこの方法をとりました。
  加工装置内部までワークをいれるのに、干渉領域が多いのでシリンダーで送り込みました。
シリンダー側にパーツフィーダーを置いてワークを送り込んで欲しいとの依頼でしたが、オフセット角度も難しく干渉領域の制限も厳しいためこの方式をご提案しました。
 ☆多品種共用の場合
 まったく違う形状のワークで多品種共用する場合、パーツフィーダー・ボウル内に数種類のワークの通り道をもうけて、まったく違う選別をするとトラブルが減らせます。
多品種共用の場合、現場の作業者になるべく簡単に調整をしてもらえるように、ごっそりアタッチメントごと交換してもらった方が調整箇所が減ってトラブルが防げます。
パーツフィーダー内にワークの取り合い基準面を合わせて複数のパーツフィーダーを作る考え方です。
 
 直線フィーダーも同じで、L字型のワークと平面に近いワークも基準面を合わせて別のラインを通します。
トラブル防止に、こんな加工方法もあります。
現場で見ることの多いアタッチメントの詰まり。